最近、気になっている3Dプリンターに「INTAMSYS」社が開発した、スーパーエンプラなどの高性能エンジニアリングプラスチックが使用可能な「FUNMAT」があります。
「INTAMSYS」は、上海に拠点を置くグローバル企業です。ドイツの自動車メーカー・ポルシェが出資をしたことで大きな話題となりました。
INTAMSYS社では、スーパーエンプラの使用を前提としたFDM方式(材料押出、熱溶解積層法)の3Dプリンター「FUNMAT」シリーズを開発。高温ノズルの搭載、庫内温度の加温機能によりスーパーエンプラの安定した造形はもちろん、今まで熱収縮の歪みなどで造形が難しかった、大型エンプラなども安定して造形できます。
「スーパーエンプラ」(スーパーエンジニアリングプラスチック)は、耐熱性・高温特性・耐加水分解性に優れ、機械的強度が高く、卓越した耐摩耗性や耐薬品性があるため、航空宇宙や自動車産業から、食品加工産業や医療分野・電子産業分野まで様々な業界で使用されています。
樹脂の中でもあらゆる面において高機能を発揮する熱可塑性樹脂である「PEEK」を始めとして、「PEI(ULTEM)」「PPSU」などのフィラメントが使用可能。金属代替、試作品, 各産業の最終使用部品など様々な用途に使用されています。
PEEKは、樹脂の中でもあらゆる面において高機能を発揮する熱可塑性樹脂であり、「スーパーエンプラ」(スーパーエンジニアリングプラスチック)とも呼ばれるプラスチックです。耐熱性・高温特性・耐加水分解性に優れ、機械的強度が高く、卓越した耐摩耗性や耐薬品性があるため、航空宇宙や自動車産業から、食品加工産業や医療分野・電子産業分野まで様々な業界で使用されています。
PEI(ULTEM)は、「スーパーエンプラ」の一つで、ゼネラル・エレクトリック(GE)社が開発した樹脂で、ポリエーテルイミド(PEI)と呼ばれ、製品名「URTEM」とも呼ばれています。その機械的性質は汎用エンプラとは一線を画す性能を持っており、優れた耐熱性、機械的特性、難燃性、耐薬品性、電気的特性などを併せ持つため、電気・電子部品、自動車部品、機械部品、航空機部品、加熱調理用品などに用いられています。
PPSU(ポリフェニルサルホン)は、優れた耐スチーム性があり、耐衝撃性、耐薬品性、難燃性に優れるスーパーエンプラです。その優れた機械特性から金属の代替はもちろん、FDA、NSF、UL、厚労省の規格に適合しており、医療用、食品用など高い安全性を求められる分野をはじめ、電子・電気用途、水栓弁・ポンプ・フィルターなどでも活用されています。
「FUNMAT」シリーズには、様々な製品ラインナップがあります。
「FUNMAT HT Enhanced」※参考価格:100万円程度
スーパーエンプラが使用可能な1ノズルのデスクトップモデル
「FUNMAT PRO」※参考価格:400万円程度
大型ABS・PC造形がしっかりできる1ノズルの大型産業用3Dプリンター
「FUNMAT PRO 410」※参考価格:450万円程度
スーパーエンプラなどの多くの樹脂材料が使用可能な2ノズルのオールインワンモデル
「FUNMAT PRO 610HT」※参考価格:2,200万円程度
シリーズ最大プリントエリアに高性能ヒーター搭載の2ノズルの本格的産業用3Dプリンター