CAM(キャム)とは、NC工作機械(コンピュータ制御の自動工作機械)の加工プログラムを作成するソフトです。このプログラムを「NCプログラム」「NCデータ」等と呼んでいます。
CAM=Computer Aided Manufacturing(コンピュータによる製造支援)
NCとは、Numerical Control(数値制御)の略で、NCデータの中には制御するコードがかかれており、指令するコードの頭文字にGが付くため、「Gコード」と呼ばれたりもします。
CNCとは、Computer Numerical Control(コンピュータ数値制御)の略で、工具の移動量や移動速度を数値制御することを言います。CNC工作機械は、入力された指令に基づいて、X軸、Y軸、Z軸の各軸がモーターで制御されて動作するため、プログラムを入れると後は自動で 加工を行います。現在は、CNC=NCとなっています。
ものづくりの流れ
製造といってもすぐに機械加工に入るわけではなく、設計情報にて指示された部品を機械加工するための製造設備、また部品の調達・手配可否と事前に検証しなければならない業務があります。
「製造とは」設計に基づく人工物を忠実に作り上げることであるからこれらの検証が商品を仕様通り市場に出せるか否かを品質、性能も含めて決めることになる。時には設計用図面を製造用図面に書き換える作業が発生します。
この段階にて製造可能と判断したなら、次はいかに加工精度を維持し、機械段取りを効率よくできるかなどの機械加工工程を決めていきます(工程設計)。
加工工程とその順番、加工機械を選定して工程が決まれば機械加工の作業手順等を決め、製造ロット数、加工スケジュールの指示等加工に必要な作業指示を決めます(作業設計)。
以上の流れに基づいて、CNC工作機械を用いる場合にはNCプログラムを作成し、加工シミュレーションを経て対象工作機械のデータが準備されます。
製造設計を終えたならいよいよ実加工へと移行される。加工すべき材料と加工に使用する機械等作業指示書の指示に従い作業を行います。
機械加工された部品は組み立てにまわされ、最終検査工程へと移行していきます。
主なCAMソフトウェア
- CAM-TOOL
- Mastercam
- Hypermill
- TOPSOLID、TOPcam
- NX CAM
- GibbsCAM
- SolidCAM
- FFcam
- Autodesk(HSM、Featurecam、Powermill、Fusion360)
- Vero(visi、edgecam、WorkNC)
- SAEILO(CimatoronE、GO2cam)
- ESPRIT
- Alphacam
- Space-E
- Tebis
- DEPOCAM
工作機械とは
刃物で材料を削ったり、穴をあけて、思い通りの形状を作り出す機械
機械部品を作り出す機械⇒マザーマシン(機械の母)と呼ばれています。
工作機械の種類
汎用工作機械・・・作業者がハンドルを回して刃物やテーブルを動かして加工する
NC工作機械・・・コンピュータで作成したデータの通りに機械が動いて加工する
NC工作機械の利点
<長所> 高精度で高効率な生産が可能
- プログラムした動作を事前に確認できるため、確実な加工が行えます。
- 同じものが同じように(時間、方法、精度)何個でも作れます。
- 生産の自動化さらには無人化を実現できます。夜間の無人運転も可能。
- ばらつきのない高い水準の品質を維持することができます。
<短所> 簡単形状の少量生産には向かない。
- 機械本体の価格が高い。(1000万円以上~)
- 運転コストが高い。
- プログラムの作成が必要
除去加工の特徴
長所
・変形加工に比べて寸法精度が高い。
・変形加工に比べると種々の複雑形状が加工できる。
・他の方法で得られないような特別な表面特性や表面模様が容易にできる。
・生産立ち上がりまでの時間が短い。(金型でつくるのと比べて)
・初期の投資金額が安い。 (金型でつくるのと比べて)
短所
・除去した材料のムダがでる。
・変形加工に比べて歩留りが悪い。
・材料の不良な部分を除去するのに時間がかかる。
・適切な加工をしないと表面品質や特性を悪くしてしまう。(加工一般に言える)